バチカンについて
国旗の色の意味
まずは黄色と白の配色からです。これは1825年、ローマ教皇レオ12世によって決められたものです。その由来にはいくつかの説がありまして、十字軍が遠征していた時代のエルサレム王国の「銀色の盾に描かれた金十字の紋章」に由来している、というものがひとつ、それと法王庁の衛兵の肩章の色に由来している、という説が流れています。どちらも信憑性が感じられます。白い部分に描かれているのはバチカン市国の国章であります。金と銀の鍵が交差しているデザインになっています。これは「天国の鍵」と呼ばれる、イエスから聖ペトロへ与えられた、キリストの代理を務める者の印というものです。聖ペトロの後継者である、教皇を象徴しています。鍵の上にあるのは、「三重冠」という、教皇の冠。「立法・司法・行政」の3つの権力を示すものとされています。ここまでとても由緒正しき風合いが感じられます。国章から、ローマ教皇の権力の偉大さや確固たる地位というメッセージがなんとなく表現されています。また、この国旗のもうひとつの特徴は、正方形に定められていることといえます。スイスも正方形の国旗ですが、法律などで定められているわけではなく、バチカン市国の国旗は、「世界でただひとつ、正方形に決められた国旗」といえるのです。